ドイツBMW社は、第76回ジュネーブ・モーターショー(一般公開日:2006年3月2日~12日)で、排気量3.0Lの直6スプレーガイデッド直噴ターボエンジンを発表した。希薄燃焼でなくてもスプレーガイデッド方式を採用する理由は、ウオールガイデッド直噴よりもより良い燃焼が得られるからだという。ウオールガイデッド方式では吸気行程中に噴射するがシリンダ壁やピストンに燃料が付着することによる燃焼損失が大きい。これに対し、スプレーガイデッド直噴では圧縮行程中に点火プラグの周りにコンパクトに燃料を噴射することで、こうした損失を減らせるという。
エンジンの圧縮比など詳細な仕様は公開していないが、今回のエンジンは連続可変バルブタイミング機構である「ダブルVANOS」と組み合わせ、連続可変バルブリフト機構である「バルブトロニック」は使っていない。 ターボは排気干渉を避けるために3気筒ずつに1個配置したツインターボで、最高出力は225kW(306PS)、最大トルクは400N・m。同排気量の同社製自然吸気エンジンよりも出力が15%、トルクが30%増している。ターボの過給圧は0.1MPa以下といい、トルクが1.3倍程度になっていることからそれほど過給圧は高くないようだ。
燃料噴射弁は、DaimlerChrysler社と同様にピエゾ式を採用した。応答性に優れる点を生かして、吸気行程で1回、圧縮行程で2回の合計3回の噴射をしている。最初の噴射は気化潜熱を利用して充てん効率を高めるためで、2回目の噴射で円すい状に燃料を噴射し、3回目の微量な噴射で点火プラグ近傍に濃いゾーンを作る。燃料噴射圧は10M~12MPa(100~120気圧)とし、DaimlerChrysler社の20MPaに比べれば低く通常の直噴エンジンとほぼ同等だ。燃料噴射システムのサプライヤーについては公開していない。